新興国通貨。レアル、リラ、ペソ、ランド!?そんなに持って大丈夫??
今は空前のアメリカ株式ブームであまり話題になりませんが、定期的に新興国の投資ブームがあります。債券でいうならば、リーマンショック前は南アフリカランド、リーマンショック後にはブラジルレアルやメキシコペソ、トルコリラと多くの資金が集まりました。
かつては、米国株よりも新興国の株式や債券のリターンが出ている時期があったことも要因です。将来的にはそのような時期がまたあるかもしれませんので、多くの資産を分散して持つ必要性が言えるかもしれません。
ただ、ほとんどの資産をレアルにしてしまった、ランドにしてしまった等の過去事例もあります。
今回は新興国の通貨をポートフォリオで持つのに対してどれほどのレベルで持つのが良いのか検証していきます!!
取引量から見る通貨の流動性
こちらは国際決済銀行が2019年に発表している外国為替市場の取引通貨割合です。
圧倒的に米ドルが中心となります。こちらは取引量に過ぎないのでこれだけでは今後の通貨価値の上昇、減少は言えません。
まず日本で馴染みがあり、投資された方も多いであろう豪ドルが3%台に過ぎません。そして先ほど挙げたレアル、リラ、ランドは0.55%ほどに過ぎません。
これだけ流動性が低い通貨がポートフォリオの多くを占める場合は、考えた方がいいかもしれません。
まとめ
為替市場の強弱は流動性だけでは一概には言えません。
ただ、流動性が低いというこは、それだけ大きな資金(≒年金等の機関投資家)が運用していないため、相場急変等のリスクが高いだけではなく、短期的な投機筋の資金に振り回されやすくなります。
日本では低金利が続いていることより、新興国債券の利回りは魅力的であるかもしれませんが、流動性の観点から見ても、資産の多くをポートフォリオに組み込むにはリスクを理解してからの方が良いでしょう!!
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毎月分配型は不要?デメリットを理解すれば、全て悪いわけではない!!
かつて投資信託といえば毎月分配型!純資産のランキングを見ても、上位からほとんどが毎月分配型という時代がありました。
そこで、たくさん分配金が出る投資信託、ファンドが売れることもあり、各社とも分配金を多く出す仕組み、またはタコ足分配と呼ばれるほど過剰に分配金を出すようになり、本来の投資目的は異なった商品を選択し、多くの人が投資信託でマイナスを出し、投資信託の印象を悪くしてしまった事もあったように思います・・。
分配金を出すことがすべてのケースで悪いわけではなく、それぞれの人や目的によって投資対象は変わります!分配金の仕組みをしっかり理解していれば、そのような投資判断や商品の勘違いはなくなろうかと思います。
そこで、本日は分配型について書いていきたいと思います!!
毎月分配型投資信託とは?
毎月分配金を出すことを目標として運用されるタイプの投資信託のことです。
毎月分配型だけではなく、2か月に一回分配金を出す事を目指すタイプや年1回の分配金を目指す商品のタイプもあります。毎月分配型の投資信託は、毎月一定額の分配金が年金の足しやお小遣いとして毎月受け取れるとしての側面もありますが、特性を少し勘違いされているケースも見受けられます!!
意味がない分配金利回り
分配金利回りの計算方法は下記になります。
分配金利回り=年間分配金累計÷直近基準価額×100(%)
こちらの分配金利回りが昔は20%を超えるものも多く、勘違いを招いてたと思われます。
分配金とは決して運用利回りや運用のリターンではなく、お金が増えているとは限りません。
運用によって得た利益を分配金として出しているわけではなく、投資した元本から払い出されているケースもあるからです。
では、具体的な事例で考えてみましょう。
債券で運用している毎月分配型に投資したとします。
こちらの基準価格が10,000円で、毎月100円の分配金が出ているとします。
分配金利回り=1200円(100円×12カ月)÷10000円×100%=12%
運用している債券の平均の利回りが6%とします。
その際、10,000円で購入した投資信託は1年後10,600円になっているはずですが、分配金が1,200円出ていると基準価格は9,400円になっているということです。
このようなケースであると、実際の収益を超えて払わているため、基準価格は下がっていってしまいます。
こちらはかつて5兆円の純資産を誇った毎月分配型「グローバルソブリン」通称:グロソブです。外国債券での運用をしている分配型ファンドになります。
かつては実際の収益を超えて払われていたことが見てわかるように基準価格が長い間下落してきていました。加えて、分配金は長い間下がり続きており、昨年までは毎月分配金は10円でありました。
7月30日時点での基準価格は5,029円、毎月分配型は5円になります。
分配利回り=60円÷5,029円×100%=1.19%
運用されている債券の終身利回りが0.6%、直接利回りが2.0%であります。
グロソブがコスト、実績から考えて投資対象となるかは全く別になりますが、今現在の分配型は実際の収益とさほど変わらず、基準価格も下がっていなく、健全な姿に戻り、十分投資対象となりえるものも増えてきていると思います!
毎月分配型のデメリットとは?
①収益を超えて分配金が出る可能性
各投資信託の月次運用報告書などを確認して、期待できる収益を超えて払わている投資信託に関しては、基準価格が下がっていく可能性があります。資金を使いながらの運用を目的とするならば一概に悪いとは言えませんが、どれほどが元本の払い戻しになっているか認識してからの投資が必要だと思います。
また買付時に手数料がかかっている場合はすぐに分配金等が出ているケースは手数料がムダになりますので、確認が必要です!!
②分配金事に税金が引かれる!?
投資信託の分配金には普通分配金と特別分配金の2種類があります。
どちらも支払われると預けている資金から払われることに変わりはありません。
普通分配金に関しては税金が引かれ、特別分配金に関しては税金が引かれません。
(普通分配金は買付時からの運用益に該当し、特別分配金は純粋な元本の払い戻し)
その分配金を受け取らずに再投資することも可能ですが、普通分配金に関しては税引き後での再投資になります。長期での資産形成を考えるのであれば、分配金がない投資信託の方が資産形成には有利といえるでしょう。
結論
分配型商品が悪いわけではありません。
年金や生活費の足しとして、分配型のニーズがあることは分かります。ただ、投資している投資信託の期待リターンと分配利回りの差をしっかり理解することが必要です。分配金利回りだけで選択すると資金の計画が異なってきます。
また、複利での運用効果が分配がないタイプと比較し、期待できません。長期での資産形成が目的であるならば、分配金がないタイプの方が良いでしょう。
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暴落に強い?「楽天・米国株式トレンドプラス・ファンド」について検証してみる。
今現在アメリカ株式に投資されている方もかなり増えました。eMAXIS SLIM米国株式や楽天全米株式インデックスの純資産額も堅調に積みあがっていってます。
アメリカ株式がこれまで遂げてきた成長は言うまでもなく、今後の成長性も期待されます。しかし、定期的に「アメリカ株式は割高だ」「米株はバブル」「リーマンショックの時は~」等と下落を警戒する声や不安の声を耳にします。
将来の事でありますのでどんな可能性も否定はできませんが、ここでは暴落に強い?「楽天・米国株式トレンドプラス・ファンド 通称:USAトレプラ」について検証していきたいと思います!!
楽天・米国株式トレンドプラス・ファンドとは?
2021年4月6日より運用開始されたまだ歴史の浅いファンドであります。2021年8月26日現在でも純資産額は1.23億円とまだそこまで資金が集まっている段階でもありません。
ただ、こちらのファンドの過去シミュレーションは下の図になりますが、ご覧ください。
1997年9月30日からのシミュレーションになります。
青色がS&P500、赤色が米国株式トレンドプラスになります。
過去のITバブル崩壊、世界金融危機(リーマンショック含む)、直近のコロナショックとS&P500が大きく下落していますが、こちらのファンド「米国株式トレンドプラス」に関しては特にリーマンショックやコロナショック時に下落するどころか上昇しているのがわかります。
どのような運用をしているの??
仮に100万円こちらの米国株式トレンドプラスに投資したとします。
その場合はまず100万円分S&P500先物(左図:ベータ戦略)に投資されます。
加えて、日中値動きがある日に一定の量をその日限りで更なる買い、または空売りをします。(右図:日中トレンド戦略)
では、どのような際にこの日中トレンド戦略はリターンを上げるのでしょうか。
市場が開始されて一定の時間が経過した後に、一定の上昇をしていた際は買いポジション、逆に一定の下落をしていた際は売りのポジションを持ちます。
そこから市場が終わるまで同様の動きが続けば左のように利益になりますが、市場開始後とは逆の動きになるとこちらの日中トレンド戦略は損失になってしまいます。
こちらの戦略は上の図を見ればわかるように過去シミュレーションでも41%と多くの日はポジションを持ちません。しかし、平均日次リターンを見ればわかるように、極端に大きく動いている日に大きなポジション(ネットポジションのレンジ幅)を取り、リターンを上げているのがわかります。一方で少しだけポジションを取った日は平均リターンがマイナスになっていることがわかります。
これ何かと似ていませんか?そうです、標準偏差(=リスク)です。
常時とは異なる日次のリターンが出る際にこちらの日中トレンド戦略が機能しやすくなってきた歴史があります!!
つまり、暴騰する日にS&P500+αの成績が期待できる!暴落する日にS&P500のマイナスを埋める事が期待できます!!
標準偏差の説明については↓の過去記事より
実績はどうなの?
こちら月報からになります。
青色がS&P500になりまして、赤色が日中トレンド戦略になっています。
(HPを確認頂ければと思いますが、為替リスクは運用から発生する損益部分等のみとなるため、為替変動による影響は限定)
運用開始から約4か月の経過にはなりますが、現状は日中トレンド戦略は少しばかりのマイナスになっております。
強烈な上昇、暴落等で実績が出やすい戦略にはなりますので、この期間のようにジリジリと動く際はこの日中トレンド戦略が足かせになる可能性が実際に起きてます。
現に冒頭に添付した過去シミュレーションにおいてもコロナショックは機能している反面、そこからの株式リカバリー局面ではこちらの戦略が少しマイナスになっています。
ある程度長い期間での検証は必要でしょう。
まとめ
一日限定のポジションでリスクが高まった際にポジションを持ってヘッジを持つ戦略はとても好感を持てると同時に過去のシミュレーションも素晴らしいものがあります。
リスクとしては、過去と現在では運用手法も変わってきている上、今後もさらに変わっていくでしょう。今までは市場開始後の方向に沿ってポジションを取ることで、大きな値動きのリスクを解消できてたという事ですが、今後その戦略が通用していくかということでしょう!
現在はコロナショックからのリカバリー以降、日中トレンド戦略の実績が出ていないように見受けられます。それだったら、S&P500で良かったという事にもなりかねません。ただ、変動幅が低下している環境でもありますので、また先に値動きを検証したいと思います!!
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