毎月分配型は不要?デメリットを理解すれば、全て悪いわけではない!!
かつて投資信託といえば毎月分配型!純資産のランキングを見ても、上位からほとんどが毎月分配型という時代がありました。
そこで、たくさん分配金が出る投資信託、ファンドが売れることもあり、各社とも分配金を多く出す仕組み、またはタコ足分配と呼ばれるほど過剰に分配金を出すようになり、本来の投資目的は異なった商品を選択し、多くの人が投資信託でマイナスを出し、投資信託の印象を悪くしてしまった事もあったように思います・・。
分配金を出すことがすべてのケースで悪いわけではなく、それぞれの人や目的によって投資対象は変わります!分配金の仕組みをしっかり理解していれば、そのような投資判断や商品の勘違いはなくなろうかと思います。
そこで、本日は分配型について書いていきたいと思います!!
毎月分配型投資信託とは?
毎月分配金を出すことを目標として運用されるタイプの投資信託のことです。
毎月分配型だけではなく、2か月に一回分配金を出す事を目指すタイプや年1回の分配金を目指す商品のタイプもあります。毎月分配型の投資信託は、毎月一定額の分配金が年金の足しやお小遣いとして毎月受け取れるとしての側面もありますが、特性を少し勘違いされているケースも見受けられます!!
意味がない分配金利回り
分配金利回りの計算方法は下記になります。
分配金利回り=年間分配金累計÷直近基準価額×100(%)
こちらの分配金利回りが昔は20%を超えるものも多く、勘違いを招いてたと思われます。
分配金とは決して運用利回りや運用のリターンではなく、お金が増えているとは限りません。
運用によって得た利益を分配金として出しているわけではなく、投資した元本から払い出されているケースもあるからです。
では、具体的な事例で考えてみましょう。
債券で運用している毎月分配型に投資したとします。
こちらの基準価格が10,000円で、毎月100円の分配金が出ているとします。
分配金利回り=1200円(100円×12カ月)÷10000円×100%=12%
運用している債券の平均の利回りが6%とします。
その際、10,000円で購入した投資信託は1年後10,600円になっているはずですが、分配金が1,200円出ていると基準価格は9,400円になっているということです。
このようなケースであると、実際の収益を超えて払わているため、基準価格は下がっていってしまいます。
こちらはかつて5兆円の純資産を誇った毎月分配型「グローバルソブリン」通称:グロソブです。外国債券での運用をしている分配型ファンドになります。
かつては実際の収益を超えて払われていたことが見てわかるように基準価格が長い間下落してきていました。加えて、分配金は長い間下がり続きており、昨年までは毎月分配金は10円でありました。
7月30日時点での基準価格は5,029円、毎月分配型は5円になります。
分配利回り=60円÷5,029円×100%=1.19%
運用されている債券の終身利回りが0.6%、直接利回りが2.0%であります。
グロソブがコスト、実績から考えて投資対象となるかは全く別になりますが、今現在の分配型は実際の収益とさほど変わらず、基準価格も下がっていなく、健全な姿に戻り、十分投資対象となりえるものも増えてきていると思います!
毎月分配型のデメリットとは?
①収益を超えて分配金が出る可能性
各投資信託の月次運用報告書などを確認して、期待できる収益を超えて払わている投資信託に関しては、基準価格が下がっていく可能性があります。資金を使いながらの運用を目的とするならば一概に悪いとは言えませんが、どれほどが元本の払い戻しになっているか認識してからの投資が必要だと思います。
また買付時に手数料がかかっている場合はすぐに分配金等が出ているケースは手数料がムダになりますので、確認が必要です!!
②分配金事に税金が引かれる!?
投資信託の分配金には普通分配金と特別分配金の2種類があります。
どちらも支払われると預けている資金から払われることに変わりはありません。
普通分配金に関しては税金が引かれ、特別分配金に関しては税金が引かれません。
(普通分配金は買付時からの運用益に該当し、特別分配金は純粋な元本の払い戻し)
その分配金を受け取らずに再投資することも可能ですが、普通分配金に関しては税引き後での再投資になります。長期での資産形成を考えるのであれば、分配金がない投資信託の方が資産形成には有利といえるでしょう。
結論
分配型商品が悪いわけではありません。
年金や生活費の足しとして、分配型のニーズがあることは分かります。ただ、投資している投資信託の期待リターンと分配利回りの差をしっかり理解することが必要です。分配金利回りだけで選択すると資金の計画が異なってきます。
また、複利での運用効果が分配がないタイプと比較し、期待できません。長期での資産形成が目的であるならば、分配金がないタイプの方が良いでしょう。
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